レストラン「カプリ」(1)

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はーい!シゲちゃんでーす。

 今回はレストランでのバイトのお話っす。「私オカマでした(8)」ではいよいよ料理のオーダーをいただいたとこなんすけどね。私はオカマのバイトのほかに、交通誘導員やレストランのコックもやっていたんすよ。父から仕送りを止められてアパートの家賃が払えなくなったんで働くしかなかった。で、最初に働いたのがレストランのコックさん。

 理由は、当時住んでいたアパートのすぐ近くにあったつうこと。五日市街道つう路線にあってアパートから徒歩5分ぐらいだったんす。デニーズやスカイラークやロイヤルホストもあったんすけど徒歩では無理。近くにあったのが「イタリアンレストラン カプリ」つう店で不二家が経営するお洒落(おしゃれ)なお店でしたっす。夏場住んでたアパートが異常に暑いんで、友人と冷房の効いたその店に行ったのがキッカケっす。カルボナーラとコーヒーを頼んで半日もいました。そこで見たのが「アルバイト募集」。さっそくフロアの人に聞いてみたんす。

 最初はフロア(接客)でのバイトを希望してたんす。そしたら面接してくれた店の人が、

「今んとこフロアは足りてんだよね。キミ厨房やってくれるかな?料理覚えられるぞ。」

 賄(まかない)も付くってこともあって即決でバイトが決まりました。なんと3日後から来てくれつうことでした。夜9時から深夜2時までの5時間。途中30分ぐらいの食事をかねての休憩。時給は確か700円ぐらいだったっすね。

 料理つうと学生寮が班で交代しての自炊で、寮母さんや先輩からの指導である程度はできると思っていました。でもレストランとなるとレベルが全然違うだろうつうことで気合いれてたんす。制服はすげー格好よくて写真撮ってもらったぐらいすよ。当時は19歳、若い・・。でもまあこんな感じだったっすね。

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 ところがバイトは来る日も来る日も食器洗い。つまり皿洗いっす。そして帰り際は厨房の清掃。スタッフは皆さんいい人だったんすけど、毎日先輩のコックに注意されながら1ヶ月ぐらいは続いたんす。ぜんぜん料理なんて教えてくれないじゃんと思って、2週間に1度店に来る総料理長(当時7店舗あった店の一番偉いコックさん)つうオッサンに文句を言ったんすよ。

シ ゲ「あのー、僕、皿洗いと掃除ばっかなんすけど、いつ料理できるんすかねえ。」
料理長「おお、キミまだ続いてたか?わっはっは。」
シ ゲ「はぁ生活かかってるんで簡単にはやめられないっす。」
料理長「どうやら道楽息子じゃなさそーだ。料理覚えたいか?」
シ ゲ「そりゃあせっかくやってんすからねえ。」
先輩A「こらおまえ、まだ何もできてないのに、誰にモノいってんだ?」
シ ゲ「はぁ、でも・・。」
料理長「わかった、悪いが私が今度来るまでは今の仕事やっててくれ。」

先輩A「総料理長、ダメっすよ。オレなんか半年やってたんすよ。」
料理長「でも彼が来てキミは楽になったんだろ?大目に見てやれよ。」
先輩A「それはそうすけど・・。おまえ運がいいな。でも所詮バイトだし。」
シ ゲ「おお!ありがとうございます。やったぁ!」
料理長「でも料理は基礎が大事なんだ。客に出せるのはまだまだ先だぞ。」
シ ゲ「あ、いいんす。なんでもやりますから。」
料理長「キミは料理やれそうだな。よし私も楽しみにしてるぞ。じゃあ。」

 つうわけで気合を入れて皿洗いと掃除をやってました。そして2週間があっという間に過ぎたんす。月曜日の夜でした。皿洗いもひと段落して先輩と外でタバコ吸ってました。

先輩A「おまえさあ、総料理長にタメグチきくんじゃねえぞ、ゴルァ。」
シ ゲ「え?そんなつもりないっすよ、先輩。」
(当時私は19歳になったばかり、先輩は23ぐらい。)
先輩A「あのお方はな、5年間イタリアで修行されてきて東京じゃイタリアン料理の5本の指に入る人なんだぜ。ここの店長でさえペコペコしちまうぐらいなんだ。あ、今言ったことは店長には絶対言うなよ。」
シ ゲ「そーなんすか?すげー。じゃああの人のワザを盗めば・・。」
先輩A「わっはっは、その前にオレの仕事見て覚えろよ、オレの。」
シ ゲ「なんか怒られてばっかすよね、先輩。」
先輩A「うっせー、ボケ!仕事は盗めつうんだ。ったくこのガキが!」

 午前零時。総料理長がやってくる。私は期待でわくわくしていた。


なんつうかまた長くなったんで、この話も連続モノにしたいと思います。

ではまた。

→ 続編できました。レストラン「カプリ」(2)

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